笠井 浩
経営者として。

春日部で働く経営者としての日々

人と出会い、新しい車と出会う

それまで乗っていた車は、とても走りが軽快で、
特に加速感や走行安定性に優れていました。
私のような素人でも、心から
「モータースポーツの楽しさ」を体感することが
出来たと思える車で、不満はまったくなかった。
ただ一つのことを除いて……
それは、「ゴルフバックが横に積めないこと」でした。
「もし買い換えるなら、決め手は荷物の収納量だな」
そんな思いはやがて、「そろそろ買い換えようかな」へ変わり、
「よし、買い換えよう!」へと昇華するのに、
それほど時間は要しませんでした。
 
いざ買い換えよう!と決意すると、今まで自分は
かなり漠然と車選びをしていたのだな、と。
そこでまずは、「決め手」の要素を整理してみることに。
第一は、やはり収納量。次にやはり外せない走りの軽快さ、
そして、走行安定性、ハンドリングの良さ。
あと、現代車社会でこれは外せない「安全性能」。
また、現在のガソリン価格の高止まりを考えると
一応、燃費の良さも考えたい。
そんな視点で選んでいきました。
 
まずは日本を代表するメーカーの展示場へ。
1台目はデザインが×。2、3台目は荷室を開けた時点で×。
4台目のワンボックスは「一人乗り」ばかりの自分には対象外。
じゃあSUVかと思って見てみると……うん、デザインはいい。
でもここで気付きました。
デザインが気に入る車種は、値段が「……!?」。
 
とにかく最近の車は「高い!」。
「いつかはクラウン」と言われていた昭和の時代。
乗用車は高くても300万円くらいではなかったでしょうか?
それが今では、一般的な車種でもスタートがそんなもの。
給与水準は乗用車の価格上昇と同じレベルには上がらず、
不動産価格も、バブルで一時急上昇したものの、
いまはバブル前の価格と同様かそれ以下になった、そんな時代。
なぜ車の値段だけがそんなに上がったのか?
 
結論として、私は「中古」を選びました。
とても幸運なことに、御得意先に
新古車を取り扱うお店があったので、社長さんにお願いして
中古車を売買するオークションの情報を見させていただくことに。
オークションでは、車の状態がしっかりチェックされ
解りやすく開示されていて、新車ではとても手が出ない高級車も、
納得できる価格で売買されているので、
いくつかの入札に参加してみましたが、
残念ながら落札には至りませんでした。
特に急いでいるわけでもなかったので、
「そのうち何か気に入るものが出てくるだろう」と思っていたら、
不意に、社長さんから。こう言っていただきました。
 
「じゃあ、ボクの車を譲るよ」
 
社長の車は、ハイブリッドの高級車で、走行距離も少なく、
傷も事故歴もない、美しい車です。
 
「社長、それこそ私に売るよりオークションに出した方が、
 ずっと高く売れるんじゃないですか?」
 
「いいんだ。君に譲る」
 
そうまで言ってくださった社長に感謝しながら、
「これもご縁。“成功者の車”を譲って頂けるのもうれしいことだ」
と思い、謹んで購入させていただくことにしました。
 
 
今回の買い換えで思ったこと。
私にとって車は「何でもいい」わけではないけれど、
すごく車好きな人から見れば、私の車選びは
「何でもいい」レベルに見えてしまうのかな、と思いました。
いろいろ車を見比べて、改めて思ったのは、
デザインでいえば、いわゆる外車に国産車は
まだまだ追いついていないな、ということ。
それは、デザイナーのレベルの優劣ではなく多分、
その他の要因、例えば
交通事情の違いだったり、車という生産物の文化的な地位だったり、
デザイナーの新進性に対する社会の許容度の違いだったり…。
そんな多くの「しがらみ」の中で生まれてくるもので、
どうしようもない事なのかなとも思います。
きっと少しずつ良くなっていくのでしょう。
しがらみを解くのは少しずつしかできないだろうから。
今回の私の「買い換え」過程も、「しがらみ」から生まれたもの。
ただし、「ボジティブなしがらみ=ご縁」から。
これからも、より多くのご縁=しがらみと出会っていければ幸せです。
 
この世の中でしがらみのない場所なんてないのだから。